なぜヒップホップダンスからポッピンスタイルになったのか。

こんにちは、田中傑幸です。

YOUTUBEのコメント欄に私宛に質問がきていました。

質問の内容
DADA LMDのチャンピオン時代からの大ファンです。以前のようなアップテンポなスタイルから、アニメーションへと変更したきっかけなどありましたら、是非教えてください。

この方は私の今のダンススタイルをアニメーションと推定してコメントを寄せてくれましたがこのアニメーションという箇所を今このブログをお読みの方はポッピンと置き換えて下記内容を読み進めてください。

質問者の方は私がテレビで披露したヒップホップダンスのイメージが今も残っているのでしょう。
ヒップホップダンスは自分が踊っていて楽しいと感じますがショーで魅せる場合、私は第三者の視点に合わせてポッピンスタイルで組み立てます。
このポッピンを私が学び始めたのは19歳です。ちょうどニューヨークでインスパイアされた時期です。
ヒップホップ、ロック、ハウス、ポッピン、どれも立ち踊り(スタンディング)とカテゴライズされますが、この中で不思議なイリュージョンな雰囲気を醸し出してくれるダンススタイルがポッピンです。
その当時ヒップホップダンスはコマーシャルダンスだと私はニューヨークのクルーの黒人に口伝で聞きました。
コマーシャルダンスとは当時アメリカのテレビコマーシャルに1~2秒踊っているシーンが挿入されていたからです。
ミュージックビデオにも入っていました。
楽しくて誰でもステップを共有できるようなダンスがヒップホップダンスです。
子どもたちがコマーシャルをみてすぐに真似したくなるような動きが特徴です。

手前どものSDHというスクールはストリートダンスハラッパという頭文字を取っています。
ストリートとは言うなれば路上です。
路上でパフォーマンスをして見ず知らずの人から投げ銭をもらうのがストリートパフォーマンスです。ダンスを手段とした大道芸です。
私たちのニューヨークのクルーがストリートパフォーマンスのテリトリーにしていたタイムズスクエア周辺は世界中から観光客が集まっていました。

踊り終えてハンチング帽をとり一礼する所

ブロードウェイ周辺はショービジネスのメッカです。目の肥えた人たちが多く人種も様々です。
そこにゲリラ的に仕掛けていくのがストリートパフォーマンスです。
観客に短い時間で最大限の効果を届けるにはインパクトがありカタルシスを感じさせる動きが必要です。
私たちのニューヨークのサウスブロンクスのチーム名はBREEZE TEAM TRANSFORMERという名です。
BREEZEとは風。TRANSFORMERとは変化させるという意味。路上に今までとは違う空気感をダンスで吹かせるという意味があります。
そのBREEZE TEAMと私がニューヨークで一緒に活動していた時期に学んだダンススタイルがポッピンでした。

左から田中傑幸、ルードボーイ、レイボーン、下の子どもはマーク

このニューヨークのスタイルのポッピン、厳密にいうと先の質問者さんがいっているアニメーションという呼称ではありません。
ニューヨークやアメリカの東海岸ではエレクトリックブギと呼ばれています。エレクトリックは電気、ブギとは動きという意味です。
エレクトリックブギの特徴はロボットのようなロボティックな動き、筋肉を爆発させ、体に電気が走るようにウェーブを流し、浮遊感を出す足首のフロート、そして手をつかいテトリスのゲームを彷彿とさせるキングタットなど。これらを起承転結をつけ構成していきます。

このエレクトリックブギはショー向きでステージ映えするダンスです。
かのマイケルジャクソンは好んでステージでポッピンスタイルのエレメントを多用し専属のストリートダンサーを個人的に雇っていました。
今あなたが立ち踊りをしていて将来プロダンサーも視野に入れているのなら身につけておいて損をしないダンススタイルがポッピンです。
ポッピンはLA(西海岸)スタイルなどもありますがここでは深く言及しません。
この記事の内容は私が今まで観て経験してきたニューヨークのエレクトリックブギにフォーカスして書いている第1次情報です。
ニューヨークのエレクトリックブギには他の立ち踊りにない独自性があります。
観客を意識した構成を要求されるので極めてショー向きなのです。
私は現場で様々な人種の方に魅せてきました。今ではどんな動きが受けるか踊りを披露する前から見当がつくようになりました。
ダンサーの魅せたいという主観的な思いも大切ですがパフォーマーの第三者の視点を持つと自分のダンスを客観視できるようになります。

エレクトリックブギを始めるのに、女性だからとか、まだ子どもだしとか、筋肉が成長過程だからとか、もう歳だからとか懸念される方いるかもしれませんが杞憂です。


エレクトリックブギを踊る少年(修行中)

はじめるならゴールデンデンエイジの観点からも早い方が良いでしょう。
現プロダンサーで教え子のマッドスキルズスタイラーの隆一と良光が始めたのは小学校低学年です。



マッドスキルズスタイラー 隆一と良光が小学生の時

その数年後、彼らは高校生で24時間テレビのダンス甲子園で全国優勝2連覇ブレイクを果たしました。

今あなたはこの文章を読んで3分後にどう思うでしょうか。
3ヶ月にどう思っているでしょうか。
3年後どうなっていたいでしょうか。
未来の自分の設計図の青写真を精密に描きましょう。

田中傑幸
限界を決めているのはあなたの頭の中の脳だけです。

最後にBREEZE TEAMの動画、私の直近のダンス動画をこのブログに埋め込んでおきます。

作家マークトウェインの言葉と一緒に。

「やっかいなのは知らないことではない。実際は何も知らないのに知っていると思い込んでいることだ。」マークトウェイン


BREEZE TEAM

田中 傑幸


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